今回のプログラムでは「富本憲吉/白磁にみる“写し”の技法」について鈎一馬さんに発表してもらいました。今回の発表では、オリジナリティーを追求した人物であった富本が、「白磁の壺」というひとつの造形に行きつくまでにどのようなものと出会い、影響を受けてきたのかを考察し、富本が楽焼という普遍的なものの実践を獲得するに至った過程を振り返りました。そしてその先にあらわれてくる「白磁の壺」を通じて、富本がオリジナリティーをどのように形成していったのかを読み解きました。また、「写し」というキーワードを元に富本はモチーフというものとどのように対峙してきたのか、自己とモチーフの関係性とはどのようなものであるべきかなど、話し合いを進めました。
次回のプログラムでは中村裕太さんに「富本憲吉と古陶器」というタイトルで発表をしてもらいます。
次回APP arts program_33は【6月22日(金)19:00−@陶芸コース資料室】で行います。
山極千真沙