2011/04/30

110429_APP arts program_04

前回の発表のなかで現代陶芸の系譜、特に富本憲吉から八木一夫へという転換には大きな断絶があるように思えるという意見が出ました。つまり、八木はどのようにして富本の「用的立体」という表現から「オブジェ焼き」と呼ばれる表現へと展開していったのでしょうか。
そこで今回は八木一夫の作品の変遷を辿ること、特に現代陶芸の記念碑的な作品とされている1954年に制作された「ザムザ氏の散歩」以前の初期作品を中心にプログラムを進行しました。以下のような論点を討議しました。

・八木一夫と具体美術協会との関わり

・1950年に制作された「二口壺」にみるオブジェへの予兆

・オブジェ焼きと近代以前の陶彫(鬼瓦、狛犬)との差異



「ザムザ氏の散歩」1954年 H27.5×W27.0×D14.0cm 個人蔵


「二口壺」1950年 H19.0×W20.0×D13.5cm 京都国立近代美術館蔵


次回は工芸における「装飾」についての発表を行ないます。「現代工芸への視点―装飾の力」展と明治期の輸出工芸との関わりを中心に、今日における装飾の意味合いを考えてみたいと思います。

次回のAPP arts program 05は【5月6日(金)19:00-@資料室】にて行ないます。

2011/04/23

110422_APP arts program_03

今回は2007年に東京近代美術館工芸館で開催された「開館30周年記念展 II工芸の力―21世紀の展望」展の展覧会図録をもとにプログラムを進行しました。




図録に収録されている金子賢治さんのテキスト「日本の近現代工芸の歴史と現代工芸論」をメンバーが要約し発表してもらいました。発表をもとにそれぞれが今後話し合っていきたいテーマを上げました。そのため次回はこのような内容のディスカッションを中心に進めていきます。

・工芸的造形論における富本憲吉から八木一夫までの系譜 -八木一夫の仕事を中心に-

・走泥社以降の現代陶芸と国外の陶芸運動との関連

「現代工芸への視点―装飾の力」展の紹介

・工芸的造形論の再考 -プロセスの重視と自己表現の関係について−


次回のAPP arts program 04は【4月29日(金)19:00-@資料室】にて行ないます。

2011/04/17

110415_APP arts program_02

今回は「さかのぼり陶芸作家史」と題したワークショプを行ないました。各メンバーが気になる陶芸作家または陶芸に関わる人物を複数上げ、それを年表軸と領域軸(現代陶芸、伝統工芸、現代美術・デザイン)の座標上に分類、配置しました。このようなボードを制作することで、これまで不鮮明であった陶芸という領域における表現の多様性とそれぞれの時代における趨勢を可視化することを目的としていました。

次回はこのワークショップから出てきたキーワードとして、1980年代から90年代の現代陶芸において活躍した作家とその時代性についてを考察していきたいと思います。そのうえで金子賢治さんの『現代陶芸の造形思考』阿部出版、2001年をメンバーで読み直してみたいと思います。当時の作家はなぜ現代陶芸を志し、またどのように作品を展開していったのか。そして、その表現が今日どのようなリアリティーをもっているのかを検証していきます。

次回のAPP arts program 03は【4月22日(金)19:15-@資料室】にて行ないます。

2011/04/10

110408_APP arts program_01

先週の金曜日からAPP arts programがはじまりました。初回はプログラムについてのガイダンスを中心に、今後取り扱って行きたいテーマを何例か上げました。
また先日まで茨城県陶芸美術館で開催されていた特別展「“REVALUE NIPPON PROJECT”-中田英寿、現代陶芸と出会う-」を紹介し、このような試みの展覧会を各自がどのようにとらえるのかをレポート課題としました。


次回のAPP arts program 02は【4月15日(金)19:15-から@資料室】にて行ないます。レポートのフィードバックをしたあとに、ワークショップを予定しています。「陶芸」について思いつくキーワードをもとに、陶芸の歴史をたどり「さかのぼり陶芸史」を組み立てます。




■レポート課題
A4用紙一枚(1500字程度)に次のテーマについてのレポートを提出して下さい。
①『revalue nippon project』展の考察 
②プログラムで取り扱ってほしいテーマの提案
 *【4月14日(木)19時】までに指定のアドレスに提出して下さい。

2011/04/07

陶芸コースにて新たなプログラムを開講します。

今年度、陶芸コースでは三回生、四回生、院生を対象とした「APP arts program」を開講します。
これまで皆さんは大学でさまざまな技術や知識を学んできました。ところが、せっかく学んできたことを作品として具現化することはそう容易くありません。そこで本プログラムではこれまで学んできたことをどのように表現し、またどうすれば作家として活動していくことが出来るのかを考えていきます。
プログラムの内容は陶芸もしくは芸術全般にまつわるテーマをもとに、ディスカッション、ゲスト・トーク、学生のプレゼンテーション等を予定しています。こうしたプログラムを通じて、陶芸を読み解くための方法を共有し、さらに作家としてどのように活動していくのかという具体的なヴィジョンを立ち上げることを目的としています。
詳しい内容に関しては、初回のガイダンス【4月8日(金)19:30-@風光館1階 F-137資料室】にてお知らせします。興味、関心をもった学生はぜひ初回のガイダンスに出席して下さい。他コースからの参加も歓迎しています。
*なお本プログラムは学生主体で運営していくため、単位履修科目ではありません。


日時:前期期間(4月15日-7月15日)の毎週金曜日 19:00-
会場:風光館1階 F-137 資料室
定員:10名程度(三回生、四回生、院生)