前回の発表のなかで現代陶芸の系譜、特に富本憲吉から八木一夫へという転換には大きな断絶があるように思えるという意見が出ました。つまり、八木はどのようにして富本の「用的立体」という表現から「オブジェ焼き」と呼ばれる表現へと展開していったのでしょうか。
そこで今回は八木一夫の作品の変遷を辿ること、特に現代陶芸の記念碑的な作品とされている1954年に制作された「ザムザ氏の散歩」以前の初期作品を中心にプログラムを進行しました。以下のような論点を討議しました。
・八木一夫と具体美術協会との関わり
・1950年に制作された「二口壺」にみるオブジェへの予兆
・オブジェ焼きと近代以前の陶彫(鬼瓦、狛犬)との差異
「二口壺」1950年 H19.0×W20.0×D13.5cm 京都国立近代美術館蔵
次回は工芸における「装飾」についての発表を行ないます。「現代工芸への視点―装飾の力」展と明治期の輸出工芸との関わりを中心に、今日における装飾の意味合いを考えてみたいと思います。
次回は工芸における「装飾」についての発表を行ないます。「現代工芸への視点―装飾の力」展と明治期の輸出工芸との関わりを中心に、今日における装飾の意味合いを考えてみたいと思います。
次回のAPP arts program 05は【5月6日(金)19:00-@資料室】にて行ないます。