今回のプログラムでは「鑑賞陶器」と題したレクチャーを行いました。事前テキスト【富本憲吉「美術陶器」『製陶余録』文化出版局、1975年】をメンバーに読んできてもらった上で、先ず「鑑賞陶器」という視点で日本の陶磁史を振り返りながら、各時代における陶磁器の鑑賞性、またそれらが求められるに至った時代的、文化的背景などを読み解きました。そして鑑賞性に特化した明治期の輸出陶器の盛行と衰退のあとに登場した富本憲吉が、自身の制作、作品についての鑑賞性をどのように考え実践してきたのかについても考察しました。
次回は中村裕太さんに「富本憲吉と今和次郎 一九一〇年代の工芸をめぐって 」というタイトルでレクチャーをしてもらいます。次回の事前テキストは【土田真紀「工芸の個人主義-一九一〇年代の工芸-」「さまよえる工藝」127頁~146頁】です。
次回APP arts program_28は【5月18日(金)19:00−@陶芸コース資料室】で行います。
山極千真沙