2011/05/15

110513_APP arts program_06

今回のプログラムでは同志社大学大学院の吉冨真知子さんをゲストにお迎えして、中国・宋代の青磁・青白磁についての研究と大学院の鈎一馬くんの作品との関連性についての口頭発表をしていただきました。




発表では青白磁の魅力を器面の装飾にみられる陰影(影青)と、その釉調の冷たさにあると指摘されました。また、鈎一馬の青白磁片の集まりによって成形された《on the surface 04》においてもその特徴をみることができ、青白磁釉の特性を生かしているという点において両者は共鳴しているとまとめられました。


発表後には吉富さんと鈎くんとのトーク・セッションをおこない、お二方とも研究者と制作者という立場から青磁・青白磁の魅力について熱弁して頂きました。特に現代陶芸として制作してきた作品を、青白磁釉という観点から捉え直すこと。つまり、釉薬の特性を表現するために器という形体を離れた作品を制作することの可能性を感じたように思えます。


 国宝《青磁鳳凰耳瓶》龍泉窯 中国・南宋時代 13世紀
和泉市久保惣記念美術館蔵

鈎一馬《on the surface 04》2010年

次回は先週のプログラムで取り扱った陶芸における「装飾」のあり方について、再度話し合っていきたいと思います。


次回のAPP arts program 07は【5月20日(金)19:00-@資料室】にて行ないます。