今回のプログラムでは土田 眞紀『さまよえる工藝―柳宗悦と近代』の「工芸の個人主義-1910年代の工藝」を各自で要約した内容を発表してもらいました。ディスカッションのなかでは1910年にイギリスから帰国した富本憲吉による工芸観、つまり、古今東西のあらゆる造形物を、先入観に捕われずに全く同列に置いて眺め、自らの「嗜好」の感覚を頼りに優れたものを取り出すという普遍主義と、日本の文化的な「根」に対する意識の共存という指摘について話し合いました。またこのような当時の工芸観を今日に引き寄せて考えることも試みました。
次回のプログラムは二部構成とし、第一部ではゲストに染谷聡さんをお迎えして、これまでの制作についてのプレゼンテーションをお願いしたいと思います。第二部では染谷さんの発表を受けまして、以前ゲストトークに参加して頂いた石塚源太さんと田中真吾さんとAPPメンバーにてトークセッションを行ないます。トークでは「工芸制作の方法」と題しまして、それぞれが「工芸」なるものをいかなる「方法」を用いて制作を行なってきたのかを話し合えればと思います。
APP arts program 21は大学入試のため一週間開け、【11月25日(金)19:30-@洋画コース7-23演習室】にて行ないます。会場、時間が通常とは異なりますのでご注意ください。